水墨画・墨彩画とは


東洋の水墨画は、墨と、水と、紙の白との調和によって生まれる芸術である。
筆を正しい方法で使い、 適量の水を含ませることによってはじめて墨色の濃淡、乾湿、グラデーションが生み出され、白い紙の上に、 すべての色・材質・動きが表現される。下描きをせず、またなぞることなく、速く、一筆で描かれるものなので 強い精神集中と緊張が要求される。それ故水墨画は、画家の感動、感情などの内面を最も直接的に反映するので、 精神性の高い芸術である。

無心になればなるほど、すべてが快調に、また自由になって、純粋で自由なものが描き出される。 創造本能のままに、時には偶然に、全く予期しないものが生まれることがある。 また同時に水墨画は長い間の精神と技術の修練によって達成される。

武者素子の墨彩画は、水墨画と同じ精神と技術、用具で描かれ、墨と顔彩と呼ばれる絵の具を使っている。